
2025.02.01
非営利のDVD上映会の注意点|著作権と上映権を詳しく解説
開催マニュアル
目次
非営利のDVD上映会でも、市販のDVDで上映会はできないの?

DVDを使った映画上映会を企画されている方から、こんな質問をいただくことがあります。
「営利目的ではなく、地域の皆さんと親睦を深めるために非営利で映画上映会をしたいのですが、市販のDVDを使っても大丈夫ですか?」と。
確かに、地域の皆さんが集まり、映画を鑑賞しながら交流を深めるDVD上映会は、とても素敵なアイデアです。しかし、ここで問題となるのが「著作権」です。結論から申し上げると、非営利であってもAmazonで購入したDVDやレンタルショップで借りたDVDを使っての上映会は、基本的にNGです。
著作権に関わる2つの法律
DVD上映会を行う際には、次の2つの法律が関係してきます。

- 上映権
「上映権」とは、著作物(映画や音楽など)を公に上映する権利のことです。「公」とは、「公衆に直接見せたり聞かせたりすること」を指し、これは不特定の人や特定多数の人を対象にする場合を含みます(著作権法第2条第5項)。
つまり、地域の集まりなどで映画を上映する場合、「上映権」を取得しなければならないということです。この権利を取得するためには、映画の権利元に許可を取る必要があります。
- 頒布権
「頒布権」とは、複製物(例:DVD)を公衆に譲渡または貸与する権利です。
具体的には、以下のようなケースが問題となります:
- レンタルショップのDVDは、「個人の鑑賞」を目的として貸し出されているため、上映会で使用すると頒布権の侵害に該当する可能性があります。
- Amazonや店舗で購入したDVDも、「個人鑑賞用」として販売されており、これを上映会で使用することも同様に頒布権侵害のリスクがあります。
- 上映会が「個人の鑑賞」ではなく「複数人での鑑賞」を目的とする場合、上映会の形式に応じて頒布権が関わる点に注意が必要です。
非営利であれば上映会は可能?
著作権法第38条第1項には「営利を目的とせず、かつ観衆から料金を受け取らない場合、公に上映することができる」という規定があります。しかし、この条文を読んで「非営利なら問題ない」と誤解する方も少なくありません。
実際には、この規定が適用されるのは極めて限定的なケースであり、頒布権の問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。
どうすれば安心して上映会を開催できるの?
映画を複数人で鑑賞するDVD上映会を企画する場合は、自己判断で進めず、必ず映画の「権利元」に確認を取りましょう。
権利元に許可を得ることで、法的に安心して上映会を開催することができます。
また、権利元がわからない場合や手続きが不明な場合は、ぜひ当社までお問い合わせください。上映権取得のサポートを通じて、皆さまが安心して上映会を実施できるようお手伝いさせていただきます。
注意事項
本記事は一つの例や意見を紹介するものであり、法律的な助言を提供するものではありません。
詳しい情報を知りたい場合は、映画の権利元(映画メーカー)や法律の専門家にご相談ください。
まとめ

非営利の映画上映会であっても、市販やレンタルのDVDをそのまま使用することは著作権侵害のリスクがあります。上映権や頒布権といった法的な側面をしっかり理解し、安心して上映会を行うためには、事前に権利元に確認を取り、必要な手続きを行いましょう。
地域の交流を深める素敵な上映会を実現するためにも、正しい方法で進めていただければ幸いです。